江戸東京野菜 文字サイズを標準にする 文字サイズを大きくする 江戸東京野菜

今様の江戸東京野菜クッキング

 いま、わたしたちの周りに出回っている野菜の多くは、「F(エフワン)」と呼ばれる強制交雑によって品種改良されたものです。むかしの野菜の味を知る人は、いまの野菜が形はあまり変わっていなくても、味がずいぶん違うと感じているはずです。そこで、ここでは伝統の味を残す「固定種」と呼ばれる野菜(主には江戸東京野菜)を使って、比較的手軽にできるクッキングを紹介します。
注=江戸東京野菜の栄養価については、亀戸大根は「大根」、伝統小松菜は「小松菜」の数値を用いています

亀戸大根の松前漬

 いまも残る江戸伝統の大根は、練馬大根・大蔵大根といった大型の大根だけではなく、小型の亀戸大根も、その仲間です。水っぽいだけの最近の青首大根と異なり、江戸っ子好みのきりっと引き締まった身とともに、独特の格好の葉っぱもまた、乙な味がします。ちょっと贅沢な松前漬けで味わってみましょう。

材料(4人分)

(a)亀戸大根・100g 亀戸大根(葉)・ 80g しょうゆ(しょうゆ洗い用)・小さじ1
(b)かずのこ(塩蔵)・100g 切り昆布(干)・10g 細切りするめ(干)・10g 塩・小さじ1/2

みりんじょうゆ
(c)みりん・大さじ2  しょうゆ・大さじ1 1/2 酒・大さじ2 だし汁・大さじ4

作り方

①(a)の亀戸大根は4cm長さの細い千切りにし、葉は4cm長さに切ります。ボールに入れ塩を混ぜ、しんなりしたら絞り、分量のしょう油をふりかけて混ぜ、すぐに絞ります(しょうゆ洗い)。
②(b)のかずのこはたっぷりの水につけ、時々水を取り替えながら塩抜きします。竹串で周囲の白い膜を除き、手でほぐします。昆布とするめはサッと水をかけます。
③(c)を小鍋に入れ沸騰させてから冷まし、①②を漬けます。
④1週間ほどが食べごろです。

1人分栄養価:エネルギー96kcal
       塩分1.5g
       たんぱく質9.3g

レシピ提供・熱量計算等=管理栄養士 葭谷麻利子

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べかなの白和え

江戸から明治に変わるころ、葛西当たりの農家が作り、べか舟で運んだ「山東菜(さんとうさい)」。それが「べかな」と呼ばれる淡い黄緑の野菜です。ちょっとおしゃれな白和えができあがりました。

材料(4人分)

(a)べかな60g
(b)しょうゆ(しょうゆ洗い用)・小さじ1 しめじ・40g 酒・大さじ1 黄菊・20g

塩(塩ゆで用)適宜 酢(あく抜き用)適宜

和え衣
(c)木綿豆腐・150g(1/2丁) すりごま・大さじ2 塩・小さじ3/5 砂糖・小さじ2 しょうゆ・小さじ1/2 (b)の蒸し煮汁・全量 だし汁 適宜

作り方

①(a)のべかなは塩ゆでし、水で冷やし、3cm長さに切ります。分量のしょうゆをふって混ぜ、すぐに絞ります(しょうゆ洗い)。
②(b)のしめじは、石づきを除いて小房に分け、分量の酒で蒸し煮にします。蒸し煮汁は、和え衣に加えます。黄菊は花びらを摘み取り、熱湯に酢を入れてゆで、水につけてアクを抜きます。
③豆腐は布巾に包んで水気をきり、すり鉢で混ぜ(c)を加えます。だし汁は豆腐の水切り具合により加減し、①②を和えて味を整えます。

1人分栄養価:エネルギー70kcal
塩分1.1g
たんぱく質3.9g

レシピ提供・熱量計算等=管理栄養士 葭谷麻利子

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のらぼう菜のごま和え

「のらぼう菜」は江戸東京野菜というより、武蔵野の伝統野菜といった方がよいかもしれません。くせがなく、茎にも甘みのある一級品の菜といえます。ここでは、そのような「のらぼう菜」の素直な味が楽しめるごま和えをご紹介します。

材料(4人分)

(a)のらぼう菜・300g(1束) しょうゆ(しょうゆ洗い用)・小さじ2 塩・(塩ゆで用)適宜

ごまじょうゆ

(b)すりごま(白)・15g しょうゆ・小さじ2 砂糖・小さじ1/2

作り方

①(a)ののらぼう菜は、塩ゆでして水で冷やし、3cm長さに切ります。分量のしょうゆをふりかけて混ぜ、すぐに絞ります(しょうゆ洗い)。
②(b)を混ぜ、のらぼう菜を和えれば出来上がりです。

1人分栄養価:エネルギー51kcal
塩分0.4g
たんぱく質3.7g

レシピ提供・熱量計算等=管理栄養士 葭谷麻利子

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吉祥寺うどの芥子酢みそ和え

 江戸時代、うどは井荻が産地でした。けれどもそのころは、山うどがそのまま出荷されていました。現在の軟化うどは、明治になってから吉祥寺あたりで工夫されたものです。吉祥寺(武蔵野市)では、今もうどが作られていますが、とても立派なうどは、ほとんどが料亭に向けられるものだということです。ここでは、うどの味を引き立てる芥子酢みそ和えを作ってみました。

材料(4人分)

(a)吉祥寺うど・200g 人参・50g こんにゃく・ 50g
酢(アク抜き用)適宜

辛子酢みそ
(b)みそ・大さじ1 1/2 酒・大さじ1 みりん・大さじ1 砂糖・小さじ1
(c)酢大さじ・1 1/2 練り芥子小さじ・1/2

作り方

①(a)の吉祥寺うどは4cm長さに切り、皮をむきます。1cm幅、2mm厚さの短冊に切り、酢水につけてアクを抜きます。人参とこんにゃくは、うどと同様に切り、別々にゆでておきます。
②小鍋に(b)を入れて弱火にかけ、とろりとさせます。ボールに移し、粗熱がとれたら(c)を混ぜます。
③①の水気をきり、②で和えれば出来上がりです。

1人分栄養価:エネルギー56kcal
塩分0.9g
たんぱく質1.4g

レシピ提供・熱量計算等=管理栄養士 葭谷麻利子

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伝統小松菜入り豆乳ごま豆腐

さっぱりとした食感の伝統小松菜。いまのチンゲンサイと掛け合わせたものとは、かなり違った味がします。そのような伝統小松菜を、豆乳を用いて「ごま豆腐」に仕立てたもの。伝統小松菜は、手に入れば「後関晩生」という品種がおすすめです。

材料(4人分)

(a)伝統小松菜・50g しょうゆ(しょうゆ洗い用)・小さじ1
(d)すりごま(白)・40g 片栗粉・大さじ2 豆乳・2カップ 塩・小さじ1/4 砂糖・小さじ1/2
(c)粉ゼラチン・15g 水・大さじ4
(b)しょうゆ・大さじ1 酢・小さじ2 だし汁・大さじ1 砂糖・小さじ1 練りわさび・小さじ1/4
塩(塩ゆで用)適宜

作り方

①(a)の小松菜は塩ゆでし、みじん切りにします。分量のしょうゆを混ぜ、しょうゆ洗いします。鍋に(b)を入れて混ぜ、濃度が出るまで火を通します。
②(c)のゼラチンは分量の水で戻し、①に加えて溶かします。粗熱をとり小松菜を混ぜ、水でぬらした流し箱に入れ、冷蔵庫で冷やし固めます。
③②を人数分に分けて器に盛り、わさびをのせ、(d)を混ぜてかければ出来上がりです。

1人分栄養価:エネルギー155kcal
塩分1.1g
たんぱく質10.0g

レシピ提供・熱量計算等=管理栄養士 葭谷麻利子

葭谷 麻利子(よしや まりこ)プロフィール

管理栄養士、薬膳アドバイザー、江上料理学院契約教諭、日本ベジタブル・フルーツマイスター協会講師、三鷹市・多摩市の行政栄養士。(有)ニュートリ・クッキング代表。

1975年、ノートルダム清心女子大学家政学部・食品栄養学科卒業。米国ミズーリ州立大学にて栄養学を、コルドンブルー料理学校にて料理と製菓を、日本中医食養学会にて薬膳を修得。2004年、ミズーリ州立大学よりInternational Distinguished Service Awardを受賞。栄養・料理のコンサルティング、料理書籍の編集協力・監修、食品企業向けメニュー開発、講演会の企画・実施、外国人・日本人・子供の各料理教室を開催、テレビ、ラジオ、雑誌、新聞等で栄養と料理を分かりやすく伝える。また西洋と東洋の栄養学に裏打ちされた料理の組み合わせを提案。

共著に「旬を味わうとっておきレシピ」(東京新聞社版)、「2000年版主婦と生活家計簿」(主婦と生活社)、編集協力に「野菜のソムリエ・ベジフルダイアリー」「野菜のソムリエ・体すっきりジュース」など。

三鷹地域活動栄養士会会長。日本栄養士会、日本中医食養学会、三鷹市商工会、武蔵野法人会の会員。

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